「腰痛と食生活の関係。タンパク質やアミノ酸とビタミンが重要」369

今回は、物理学者である三石巌氏の論文を参考に、健康な体づくりに必要な「タンパク質」そしてそのタンパク質を作る為に必要な20種類のアミノ酸とビタミンについてまとめてみます。

元々が難しい内容のものだったのですが、読めば読むほど奥深い内容で、当院のメインの治療となっている【腰痛】の原因の筋肉の問題にも大きく関わっていると思いますので、是非紹介したいと思います。

どんな施術を受けても中々腰痛が治らない、そういった場合は食生活に問題があることが非常に多いです。

この記事が、食生活を改善される際のヒントになれば、と思います。

健康な体作りに必要な10万種類のタンパク質は体で作られる

私達、人間の身体の「脳、筋肉、骨、髪の毛」といった様々な組織は、5~10万種類のたんぱく質で作られています。

普通に生きているだけでも身体って色々な活動をしていますよね。

呼吸をしたり、何かを見たり、何かを手で取ったり…etc

その為には筋肉が動き、血が巡り、と体の中で活動が行われているわけですが、その活動を支えているのがタンパク質というわけです。

つまり、タンパク質は人間の身体にとって重要な〝部品〟のような存在です。

日常的な会話で聞く「食べ物から摂取するタンパク質」は成分的な意味

日常の生活でこんな言葉をよく聞くことがあると思います。

「筋肉をつける為にはタンパク質が大事」
「鶏肉や卵の白身でタンパク質を摂る」

こういった場面でのタンパク質というのは、上記の項目で書いた10万種類のタンパク質とは若干意味合いが異なり「食べ物や飲み物から摂取する成分」という意味でのタンパク質となります。

今回の記事でテーマにしている10万種類のタンパク質は「身体を構成するタンパク質」です。

次の項目では、食べ物から摂取するタンパク質と、体で構成するタンパク質の違いについて説明します。

10万種類のタンパク質を作る為に必要な20種類アミノ酸とその種類について

人間の体がタンパク質を作る際に必要となるのは、20種類のアミノ酸です。

20種類のアミノ酸は、2つの種類に分けられます。

※以下の項目での必須・非必須というのは「食物から摂取すべきかどうか」という観点での必須・非必須ですので、〝必須〟であれば食物から摂取しなければならないし、〝非必須〟であれば、食物から摂取しなくても体の中で合成することが出来るという意味です。

11種類の「非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)」

名前の通り(食物から摂取することが)必須ではないアミノ酸です。名前を挙げると

・アルギニン(幼少期は必須)
・グリシン
・アラニン
・セリン
・チロシン
・システイン
・アスパラギン
・グルタミン
・プロリン
・アスパラギン酸
・グルタミン酸

と聞いたことのある名前もあるのではないでしょうか?

アスパラギンやグルタミン等はそこそこ見かける名前ですね。

これらが〝非必須〟アミノ酸と言われている理由は「自分の体の中で作り出すことが出来るアミノ酸」だからです。

最悪、これら11種類が含まれているタンパク質を含んだ食物が食べられなくても〝体の中で合成するので生きてはいける〟という意味であり、摂らなくていいというわけではありません。

食事から摂取するに越したことは無い、というアミノ酸成分です。

9種類の「必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)」

こちらは、食物から摂取する必要があるアミノ酸です。

・バリン
・イソロイシン
・ロイシン
・メチオニン
・リジン(リシン)
・フェニルアラニン
・トリプトファン
・スレオニン(トレオニン)
・ヒスチジン

ロイシンやバリンといった響きは耳にしたことがあるかもしれません。

これらの成分は〝人間の体で合成することが出来ない・作り出すことが出来ない〟ので食べ物から摂取する必要があります。

必須アミノ酸は食べ物から摂取しなければならない、非必須アミノ酸は体の中でも合成出来るけど食べ物から摂取出来るならそうしたほうがいい、といった感じですね。

食べ物から摂取するタンパク質にアミノ酸が含まれている

タンパク質やアミノ酸の位置づけが、あちこち移動するような感じなので少し混乱するかもしれませんが、以下の様にお考えください。

・食べ物から摂取するタンパク質が体の中でアミノ酸として分解され、体の中で合成される〝新たなタンパク質の材料〟になる

つまり、タンパク質を食べ物から摂らないといけないというのは、言い換えれば「体の中でタンパク質を合成する為に、アミノ酸を摂らないといけない」という事になります。

偏った食生活がダメなワケ

タンパク質を摂取する事をイメージした場合、思い浮かぶのは「牛肉、鶏肉、卵、大豆」などの食品だと思います。

例えば「大豆はタンパク質が豊富に含まれている食品なので、大豆ばかり食べていればいい」といった考え方は間違いです。

確かに大豆にはタンパク質(必須アミノ酸9種)が含まれてはいますが、全てがバランスよく含まれている訳ではありません。

例えば大豆の場合、「メチオニン」の含有量が少なめです。その代り「リジン(リシン)」の含有量は多めとなっています。

つまり、大豆ばかり食べていると「メチオニン」の摂取量が少なくなってしまうということが起こりうるわけです。しかし、トウモロコシには「メチオニン」が多く含まれていたり、食品によって必須アミノ酸の含有量が異なるわけです。

なので、こればかり食べていればいい!ということはありません。

卵が完全栄養食と言われていたワケ

必須アミノ酸をバランスよく含んでいると言われている食品の代表格は「鶏卵」です。

タンパク質の栄養価を指す指数を〝プロテインスコア〟と言いい、その食品に含まれているタンパク質の中のアミノ酸のバランスが理想的なものを「プロテインスコア100」の食品と言います。

※例えば豚肉の場合はプロテインスコア90etc…

鶏卵はプロテインスコア100の食品で、その他ビタミンなども含まれている為、昔から完全栄養食と呼ばれていたわけです。

しかし、プロテインスコア100だからといって卵ばかり食べる、というのはやっぱり良くないのでバランスが大事ですね。

体内でタンパク質を作る際のサポーターがビタミンとミネラル

健康を維持する為に必要な成分として、ビタミンとミネラルが必要というのは、誰もが聞いたことのある話だと思います。

このビタミンとミネラルも、今回のタンパク質の話に大きく関わってきます。

ビタミンやミネラルが足りないとタンパク質を作る能力が落ちる

人間は、体内で5~10万種類のタンパク質を合成しています。

このタンパク質を合成する際に必要なのがビタミンやミネラルです。

体の中の司令塔・設計図的なものと言えば〝DNA〟ですが、タンパク質が作られる際にも、このDNAが命令を出します。

社長であるDNA「Aというたんぱく質を作るから、◆というアミノ酸を○○(量)、▲というアミノ酸(材料)を○○持ってきなさい」

と指示し、アミノ酸(材料)が用意されます。

そのアミノ酸(材料)を混ぜ混ぜするのが酵素やビタミンミネラルといった従業員と考えればわかりやすいのではないでしょうか。

▲作る製品
【タンパク質】

▲生産工場
人間

▲社長
DNA

▲材料
アミノ酸

▲従業員
酵素、ビタミン、ミネラル

「材料」が欠けても「従業員」が足りなくても、効率よくタンパク質が出来ないというのはわかるかと思います。

つまり、どれもがバランスよく用意されていないといけません。

一生懸命プロテインスコアの高い食品をバランスよく摂取しても、ビタミンやミネラルが足りていなければ生産効率が落ちてしまいます。

個人の体質、タンパク質の種類によって必要なビタミン量が変わる

次に問題になってくるのが、タンパク質の種類や個人の体質によって、必要なビタミン量が変わってくるという点です。

▲タンパク質の種類の問題▲

例えば【タンパク質001】を作るのは手間がかかるので、10人の従業員(ビタミン)が必要になる。

しかし、【タンパク質002】は簡単に出来るので1人の従業員(ビタミン)で完成させることが出来る。

このようにタンパク質の種類によって必要なビタミン量が変わってきます。

しかし、どのタンパク質を作るのにどれだけのビタミンが必要なのかはわからないそうです。

また、以下で説明しますが個人の体質の問題でも変わってくるので、余計にビタミンの必要量はわからなくなります。

▲個人の体質の問題▲

・Aさん(生産工場A)の場合
例えばAさん(生産工場A)で【タンパク質001】という製品を作るとします。

この工場は最新の機械を導入しているので、3人の従業員(ビタミン)で必要量の【タンパク質001】を作り出す事が出来ます。

・Bさん(生産工場B)の場合
しかしBさん(生産工場B)は機械が導入されておらず、手作業が多いので必要量の【タンパク質001】を作るのに10人の従業員(ビタミン)が必要になります。

このように、個人の体質によって必要なビタミンの量が変わってきます。

つまり、タンパク質の種類によってもビタミン量は変わるし、さらに個人の体質との相性によってもビタミン量が変わるというわけですね。

体内でのタンパク質合成の際のアミノ酸の再利用について(オマケ)

ここで少しオマケとして、材料であるアミノ酸の再利用のお話です。

タンパク質を作るには20種類のアミノ酸が必要で、そのうち必須アミノ酸と言われる9種類のアミノ酸は食品から摂る必要があるということはおわかりですよね?

しかし、あまりにも偏った食生活をしている場は「製品(タンパク質)」を作る為の「材料(アミノ酸)」が足りなくなる事があります。

その場合、体には新しい材料が入ってきていないので、体中を探し回って古い材料(使い古しの材料)を探し出してきて代用します。

新品の製品を作成する際に、中古の材料が使われているっていうのは良くないですよね?

材料であるアミノ酸をちゃんと摂取していない場合、それと同じことが行われてしまう訳です。

ビタミンを多く摂る事が健康に繋がる「メガビタミン主義」について

上の項目で、ビタミンを従業員に例えましたが、ここでも従業員として話を進めていきます。

個人の体質(生産工場)によってタンパク質の合成効率が違うということは、上でも話しました。

生産工場A(Aさんという人間)は最新機械を導入していて3人の従業員(ビタミン)で【タンパク質001】を作れるわけですが、生産工場B(Bさんという人間)では最新機械がないので、そうはいきません。

しかし、AとB、どちらも納期までに【タンパク質001】を作る必要があります。

そうなった場合、材料であるアミノ酸はどちらも同じ量だけ摂取しているとしたら、必要になってくるのは生産効率となります。

同じ期間で同じ量の【タンパク質001】を作るとした場合、生産工場Aでは3人で一生懸命最新の機械を使って作業します。

しかし、生産工場Bは最新機械がないので従業員を工場Aよりも増員し、10人がかりで【タンパク質001】を生産して、同じ納期で生産します。

つまり、足りない生産効率部分を従業員で補う訳です。

タンパク質の生産効率をビタミンの量でカバーする

人それぞれ、体質によって作りやすいタンパク質、作りにくいタンパク質があります。

1から順に作りやすいタンパク質を並べたとして…

▲Aさんの体質

1.【タンパク質001】
2.【タンパク質002】
3.【タンパク質003】

▲Bさんの体質

1.【タンパク質002】
2.【タンパク質003】
3.【タンパク質001】

「【タンパク質001】が足りないと人間は病気になりやすい」という場合、AさんもBさんも全く同じ食事をして同じ生活スタイルだったとしても、Bさんの方が病気になりやすいということになります。

この個人差が病気になりやすい人、なりにくい人の個人差となるのです。

この部分をカバーする為に「ビタミンを多く摂る」必要が出てきます。その考えが「メガビタミン主義」となります。

Bさんが【タンパク質001】を作りにくい体質なのであれば、ビタミンをAさんより多く摂取して、【タンパク質001】の工場まで従業員がいきわたるようにすればよい、という考えですね。

腰痛の人がアミノ酸とビタミンミネラルを十分にとる重要性

まとめとなります。

アミノ酸やビタミンミネラルが体を構成するタンパク質を作る材料だということはわかってもらえたと思います。

健康な体の基本である骨や筋肉等、様々な部分がタンパク質で出来ているわけですね。

ラムサ福岡にお越しになるお客様のほとんどは【腰痛】の方々です。

そして、患者様の腰痛の原因は【筋肉の張りや緊張】によるものが多くなっております。

ストレス、普段の姿勢、運動不足、食生活、様々な原因はありますが、食生活と運動不足が原因の患者様が一番多くなっております。

偏った食事ばかりしていてアミノ酸やビタミンミネラルをちゃんと摂取出来ていない、運動不足で血の巡りが悪い、そのような事が生活が【腰痛】を引き起こします。

慢性的な腰痛に悩まれている方は、まずは生活スタイルの見直し、とくに食生活の見直しから始めてみてはいかがでしょうか?

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